住宅ローンの種類と金利の種類って??
住宅を検討し始めるといろいろな種類の金利があって何がどう違うのかよく分からない・・・。今日は住宅ローンの種類について解説していきます 🙂
住宅ローンの種類は3種類
住宅ローンの種類は主に3種類あります。1つが公的住宅ローンと言われるもので、財形住宅融資がこれに該当します。2つめが民間住宅ローンです。○○銀行や●●信用金庫がこれに該当します。また、フラット35もこれに該当します。そして、最後の3つめが社内融資などの上記1.2.にも該当しない融資です。ほとんどの方が2つめの民間住宅ローンを利用していますので、それぞれの特徴について、もう少し詳しく解説していきましょう。
金利の種類は4種類
住宅ローン金利の種類は大きく分けて
1.変動金利
2.期間固定金利
3.全期間固定金利(フラット35など)
4.金利ミックス(変動金利+固定金利)
の4種類です。それぞれの金利タイプの特徴を見ていきましょう。
変動金利
変動金利の特徴はなんと言っても「金利の安さ」です。
住宅ローンは30年や35年の長期間のローンとなります。そのため、30年や35年の長期間のあいだの貸し出し金利は約束できないけど、今現在ならこの金利で貸せますよ、というのが変動金利です。
そして、変動金利は毎月変わります。なので先月の金利は○%だったけど、今月は●%ですよ、と各銀行が公表します。
借りる側としては、マイホームを買って住宅ローンが実行される月の金利が適用されます。そして、その金利は半年間変わりません。なので、銀行の公表する金利は毎月変わるけど、融資が実行されればマイホームの金利は半年間変わらない、ということになります。
では、半年後はどうなるのかというと、半年後の銀行の公表する金利が適用され、そこから半年間はその金利が適用されます。
そして、「半年後に金利が上がっていたらどうなるのか?」というと、適用金利に合わせて返済額が変わるタイプと5年間は支払額は変わらない5年ごとの改定のタイプがあります。その場合、支払い額の変動幅は「以前の返済額の1.25倍まで」というのが一般的です。
例として、金利1.0%、月々の支払い額が約70,000円の住宅ローンの場合をみてみましょう 😎
支払い回数 | 金利 | 返済額 | 元金 | 利息 |
1 | 1.0% | 70,571円 | 49,738円 | 20,833円 |
2 | 1.0% | 70,571円 | 49,780円 | 20,792円 |
3 | 1.0% | 70,571円 | 49,821円 | 20,750円 |
4 | 1.0% | 70,571円 | 49,863円 | 20,709円 |
5 | 1.0% | 70,571円 | 49,904円 | 20,667円 |
6 | 1.0% | 70,571円 | 49,946円 | 20,626円 |
7(半年後) | 1.2% | 70,571円 | 43,987円 | 26,584円 |
8 | 1.2% | 70,571円 | 44,029円 | 26,542円 |
9 | 1.2% | 70,571円 | 44,070円 | 26,501円 |
そして、5年後に金利が暴騰した場合、支払いはどうなるかというと、それまで支払っていた額の1.25倍までの範囲で増加します。
59 | 1.1% | 70,571円 | 48,319円 | 22,252円 |
60 | 1.1% | 70,571円 | 48,323円 | 22,248円 |
61(5年後) | X% | 88,213円 | ?円 | ?円 |
62 | X% | 88,213円 | ?円 | ?円 |
63 | X% | 88,213円 | ?円 | ?円 |
64 | X% | 88,213円 | ?円 | ?円 |
65 | X% | 88,213円 | ?円 | ?円 |
こんなイメージです 😀
そして5年目以降は同じように半年ごとの金利の見直しがあり、借り入れから10年後に金利の見直しと支払い額の見直しがある、というのが変動金利の特徴です。(全ての金融機関が必ずしもそうとは限りませんが、多くの銀行がこのような内容の商品となっています。)また、住宅ローンの残債が多い状態で金利が大きく上昇すると、毎月の支払い額以上に利息が膨らむ「未払い利息」が発生する可能性もゼロではありません。その場合、元金は減らず、かつ、未払い部分に関しても精算をしないといけなく、返済計画に大きな支障を及ぼすこともあり得ること頭の片隅に入れておく必要がありますね 😀
変動金利のまとめ
メリットはなんといっても支払い額が安い
半年ごとに金利の見直しがある
5年ごとに支払い額の見直しがある
支払い額が増えるのは1.25倍まで
金利が上昇した場合、未払利息が発生する可能性もゼロではない
期間固定金利
期間固定金利は3年間や5年間など、一定期間は金利が固定で固定期間終了後は変動金利にするか固定金利にするか選べますよ、というものです。
この金利の特徴は一定期間金利が固定できるので将来起こるイベント(子どもの学校入学や学習塾の費用など)に合わせた資金計画が立てやすいことにあります。また、全期間固定金利に比べて一般的に金利は低く設定されているので変動金利と全期間固定金利の中間のようなイメージです。
ただ、期間終了後、金利が上がっていた場合、変動金利のように支払い額の上限は設定されていないため仮に金利が大きくあがっていた場合、支払い額が大きくなる可能性があります。また、期間終了後の金利の優遇幅(詳しくは別の機会に・・・)が少なくなり、結果的に期間終了後の金利が高くなってしまう可能性があります 😳
期間固定金利のまとめ
一定期間の固定金利
変動金利よりは高め、全期間固定金利よりは低めの金利
期間終了後は金利タイプの選び直し
期間終了後の金利の優遇幅に注意
全期間固定金利
全期間固定金利とは、住宅ローンを借りている期間中ずーっと金利が変わらないこと=支払い額が固定されていること、が特徴です。代表的なものがフラット35です。
フラット35のほかにフラット20やフラット50などもありますが基本的には変わりません。フラット35は最長で35年間の借入れ、フラット20は最長で20年間の借り入れ(15年以上20年以下)となります。
また、そのほかにフラット35S(フラット35エス)というものがありますが、こちらはざっくり言うと、質の高い住宅はフラット35の金利から少し、金利を下げて融資しますよ、というものです。フラット35Sが使えるかどうかは物件による、と言うことですね 😎
支払いが終わるまで金利が変わらないので当然金利は高くなります。ただ、変動金利に比べれば高くはなりますが、低金利の時代ですので全期間固定金利といえども金利は低い状態です。この金利で35年間の支払額が固定という安心が担保されることを考えれば十分、選択肢となります。
また、フラット35ではなく、銀行によっては35年間の固定金利の商品を設けていますが、フラット35に比べると金利が高いものが多いので全期間固定金利を選択するのであればフラットが選択肢となるかと思いますよ 😎
全期間固定金利のまとめ
代表的なものがフラット35
住宅ローンを借りているあいだ、金利が固定=支払い額が固定
変動金利に比べると金利は高くなる
変動金利より高いとはいえ、低金利の時代。十分、選択肢として検討できる商品
金利ミックス
金利ミックスとは借入額の全てを変動金利や固定金利にするのではなく、借入額のうち、○○万円は変動金利、残りを固定金利や期間固定金利または、●●万円は3年固定金利、残りを10年固定金利にする、というような借り方です。
このような場合、(期間)固定金利の金利が固定されている安心感と変動金利の金利上昇リスクのバランスを取りつつ、全額を全期間固定金利で借入れするよりも当初の返済額を抑えることが期待できます。ただし、金利が上昇したときに変動金利の部分の支払い額の変動や、固定期間終了時に借入れ当初より金利が上昇していた場合、結果的に当初から全期間固定金利を選択していた場合に比べ、支払い額が多くなってしまう可能性があります。また、金融機関によっては住宅ローンを1本ではなく、2本とみなされ、余分な事務手数料等が発生する可能性があります。
金利ミックスまとめ
借入額を変動金利や期間固定金利、全期間固定金利など2つ以上を併用した借り方
変動金利の金利上昇リスクと固定金利の安心感のバランスを取ることができる
期間固定金利を選択した場合、期間終了後の金利によっては当初から全期間固定金利を選択していた方が支払い額が抑えられた、ということに陥る可能性もある
金融機関によっては住宅ローンを2本とみられ、余分な費用が発生することもある